余部鉄橋架け替え工事

余部鉄橋はJR山陰線の橋梁のひとつで、兵庫県香美町にあります。
現在このブログのタイトル背景にも使っていますが、一度は写真などで見たことがある人も多いと思います。

この余部橋梁は現在架け替え工事が進んでおり、8割が完了したということです。
元の余部鉄橋(現在はまだ使用中)について紹介しますと、JR山陰本線鎧駅と餘部駅の間にかかる高さ41.45m、長さ309.42mの鉄橋で、トレッスル式と呼ばれる鋼材をやぐら状に組み上げた橋脚が特徴で、この種の鉄橋では日本一の規模を誇りました。

明治42年(1909年)に着工し、2年半の歳月と、約33万円(現在の約30億円相当)の建設費、延べ25万人の労力をかけ、明治45年(1912年)に完成しました。

ここは大変風の強いところで、ブリを呼ぶ西風の「うらにし」が吹くと喜ばれ、海からの強い北風の「いれて」が吹けば漁にも出かけられないと、風の向きに一喜一憂するところです。北風の「いれて」は時に山陰線の列車の通過も影響します。

昭和61年(1986年)12月28日日曜日午後1時25分頃鉄橋を通過中の香住発浜坂行き回送列車が日本海からの突風にあおられ、機関車と客車の台車の一部を残して7両が転落、真下にあった水産加工場や民家を直撃しました。

この列車は、団体臨時の和風列車「みやび」、山陰お買い物ツアーなどの一般客174人を乗せて午前9時26分に福知山駅を出発、11時49分香住駅に到着し乗客を降ろした後、浜坂駅に回送するため午後1時15分香住駅を出たあとの落下でした。
橋脚に残ったのは先頭のディーゼル機関車1両と客車の台車3組(1両半分)だけで、現場は約50メートルにわたってレールが曲がりまくら木もずたずたに。
落ちてきた列車はここにあった工場を直撃し、建物は跡形もなく壊れてしまいました。客車内に居た車掌1名と加工場の従業員5名の計6名が死亡、客車内に居た日本食堂の従業員1名と加工場内の従業員5名、計6名が重症を負いました。

この痛ましい事故を教訓にして、秒速20m以上の強風が吹くと列車を止めるよう徹底し、その結果年間数百本の列車が鉄橋の通過を見合わせることになりました。
こうした背景により、JR西日本は2001年に橋梁掛替えを発表し、2007年より工事が進められてきました。

完成は2010年秋ということですが、地元の方も複雑な思いだということです。余部鉄橋は自慢であり、また惨事を起こした元凶でもありと、ほんの少しの地域の差でも思いは大きく違うそうです。

タイトル画像の写真は掛替え前に余部鉄橋観光が大人気になり、「さようなら余部鉄橋」ということで、一区間だけ列車に乗る企画でのツアーの際に撮ったものです。もちろん私たちガイドは列車には乗りませんでしたが、余部駅近くにバスを回送した後、お客様を駅まで迎えに行ったのです。恐ろしく高い位置に駅があるのですが、車では行けませんから徒歩です。ひぃひぃ言いながら登り詰めると小さな駅があり、すぐその近くに展望所があるのです。鉄橋を眺めるのには絶好のポイントなのですが、唯一のポイントなので余部鉄橋を写した写真は誰が撮っても同じ構図になってしまうのですね。

最新ニュース

余部鉄橋開通!

とうとう開通しました!前日までJR西日本も工事のためのダイヤ調整をしていたようですが、ようやく予定通りの開通となりました。もともとは秋開通の予定でしたが、わずかに早く完成したようですね。台風がやってくる時期の前に完成してよかったです。さすがに台風では新橋でも渡れないかもしれませんが。

JR山陰線鎧(よろい)―餘部間の日本海に面した谷に架かる余部鉄橋(兵庫県香美町)の架け替え工事が完了し、12日午前6時半すぎ、新しいコンクリート 製の橋を始発列車が渡った。地元の住民約120人や全国からきた鉄道ファンが乗り込み、記念撮影をしたり地酒で乾杯したりして開通を祝った。

新しい橋は同じ長さと高さで隣に造られたが、11本あった橋脚は4本になった。防風壁が設置され、JR西によると運休は約9割減る見込み。役目を終えた鉄橋は解体工事が進むが、一部は展望台に生まれ変わる。

(2010年8月12日付)

過去ニュース

JR山陰線の余部(あまるべ)鉄橋(兵庫県香美町)に代わる新しいコンクリート製の「余部橋梁」の完成も近づき、8月12日の始発列車から運転を始めると 発表がありました。また、橋本体の架け替え工事に伴って7月17日~8月11日は同線の香住―浜坂間を運休し、鉄橋の撤去作業が行われるそうです。
新しい橋は2007年から建設が進められており、建設費は約30億円の予定です。
現在は橋の上の風速が秒速20メートルになると列車の運行を見合わせていますが、新しい橋は高さ1.7メートルの防風壁を備え、運転見合わせの基準も秒速 30メートルに緩和されるため、強風による運休本数を年平均で90%減らすことができるということです。
(2010年4月)

『新しいコンクリート橋は、余部鉄橋とほぼ同じで長さ約310メートル、高さ約40メートル。一昨年春、JR西日本が架け替え工事に着手した。まず橋脚を建て、その両側に橋げたをのばす工法を採用。橋げたの張り出し作業は完了し、接合部を閉じる作業が続いている。今は風速が毎秒20メートルを超えると、列車の運行を止めているが、新しい橋には防風壁が設けられ、毎秒30メートルでも運行できる設計。強風による運休は9割以上減る見込みという。
橋げたの工事は来年春まで続き、その後、線路敷設などの工事に入る。JR西日本などによると、開通時期は「来年秋の早い時期」。その前の数週間は列車の運行を止めての工事になる。鉄橋の一部を解体するとともに、コンクリート橋の東側約4分の1の橋げたをずらして、これまでの軌道につなぐためだ。また、余部鉄橋は11本の橋脚のうち、3本が橋げたとともに残される。』
2009年12月19日神戸新聞夕刊より

余部鉄橋架け替え工事動画(Youtube)

新橋の概要

・全体事業費  約30億円
・橋梁形式  エクストラドーズドPC橋(コンクリート橋)
・橋梁規模  橋長310m、 幅員7.5m、 高さ41.5m、橋脚4基、橋台2基

新余部橋梁完成予想イメージ

新橋梁画像

新旧2つの橋が重なっている状態です。撮影日は2010/06/13です。

手前側が新しいコンクリート製の余部橋梁で、反対側に旧鉄橋があります。並んでいる橋脚は旧鉄橋のもので、新橋梁は橋脚が4本です。

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