観光バス運転手になるには?

観光バスのドライバーというのは、なかなか大変です。
運転中に眠くなっても、勝手にどこかにバスを停めて仮眠なんてことはできません。

元バスガイドの私がまだ若い頃、会社に新しくドライバーとして入社してきた人は、元々トラックに乗っていていたのだけど、ある日高速道路の渋滞中に隣にいた観光バスのドライバーが若いバスガイドと楽しそうに話をしているのを見て、羨ましくなり、観光バスに乗ろうと決心したのだと言っていました。(苦笑)

トラックの場合は荷物の上げ下ろしをしないといけない場合が多く重労働ですが、観光バスは勝手に乗って勝手に降りてくれるのも楽そうにも見えたのでしょう。

しかし観光バスの荷物は喋ります。文句を言います。勝手なことを言います。人間を乗せるのもけっこう大変です。

定期観光バス路線バスであれば道に迷うということはないでしょうが、観光バスは必ずしも観光地だけを回るのとは限りませんので、目的地がどこにあるのか調べてもわからないというケースもあり、電話で確認しながら向かうのですが、ひとつ間違えるとUターンもままならず、迷子になってしまうことがあります。やはり方向音痴な人には向いていない職業です。(とはいっても、方向音痴な方もいますが)

はっきりいって収入面でも良いとはいえません。実際の年収などは地域や会社によってかなり違いますが、350万~500万くらいだと想像します。平均的には400万くらいではないでしょうか。ただし、同じくらいの年収でも会社によって仕事内容や労働条件がかなり違うことがあります。

観光バスの運転手になるための資格

観光バスの運転手になるためには、大型二種免許が必要です。現在は大型二種でも一部の自動車学校で技能卒業検定に合格すれば、試験場では学科試験と適性検査のみで合格することができます。

大型一種免許を持っていれば、運転免許試験場で技能試験を直接受験することもできますが、これは半端なく難しいです。一発合格はまずないといっていいでしょう。10回受けてあきらめたという人もいます。現職の観光バス運転手で平均3~4回目くらいで合格しているんじゃないでしょうか。数年前から新入社員のドライバーには、自動車学校に通って取得したという人が多くなっているように思います。

適性検査の中にも普通車では受けることの無い深視力検査というものがあって、これで落ちる人もいるようです。

私が探した中でいちばんわかりやすいと思ったサイトはこちら。
大型二種免許取得までの流れ ⇒ 自動車教習所ガイドさんのページ

観光バス会社

実際に観光バスの運転手になるためには、観光バスの会社に就職するわけですが、ここが一番大きなポイントです。会社選びは慎重にしっかりと下調べをしましょう。
その会社の所持しているバスのイメージだけで決めてはいけません。特に規制緩和以来、会社の数は増えていますが、労働条件や取り扱っている仕事の内容が全く違います。バス会社の中には、他のバス会社からの転職を嫌うところもありますので、特に最初が肝心です。

観光バスといっても路線バスを運行している主に私鉄系の会社と路線バスを所持しないバス会社があります。また路線バスを運行している会社でも、路線と観光を完全に分けている会社もあります。
路線バスと観光バスの両方を運行させている会社では、ほとんどの場合、数年間の路線バスの運転を経験してから観光バスの運転手になります。路線バスのある会社では実際の大型経験を必要としないところも多くあります。

しかし路線バスを持たない会社の場合は、実際の大型経験(トラックや他のバス会社の路線経験など)を必要とするところが多いです。この辺りの事情は本当にバス会社によってかなり違います。トラック経験者は運転にクセがあるので嫌うバス会社もあれば、どんな経験でも経験無しよりはよいだとか、他のバス会社からの転職は、何か問題があったから辞めたのだと考える会社が多かったりと、ある程度の傾向はあっても、一概には言えません。やはり最近は人間を見る会社が多いのではないかと思います。

また最近のバス会社の傾向としては、最初から正社員採用ではなく、契約社員として採用してから、様子を見て本採用する会社が多いようですが、これはよほど態度が悪いだとか、事故を起こしたなどといったケースでなければ、普通に正社員登用されます。

バス会社選びのポイント

バス会社はたくさんあります。でも会社によって労働条件などに大きな違いがあるので、安心して働ける会社で仕事をしたいと思うのが当然です。しかし必ずしも大手で働くことが自分に合っているとは限りません。給料面ではどの会社もそれほど大きな違いはなくなってきつつあります。自分に合ったバス会社はどんなタイプなのか、バス会社の根本的な違いなどを参考にバス会社を選ぶのが良いかもしれません。

労働組合はあるか

貸切バスの場合、制限なしに働くと考えられないほどの過酷な労働状態になることもありえるので、最低限の取り決めがされているのは重要。居眠り運転で事故をしたら、損をするのは自分である。労働組合がなくても、まともな運行をさせている会社はあるが、外部からはわからないところが難しい。

その会社の母体を知る

  • 私鉄系
  • ほとんどが大手である。鉄道とは完全に分離しているのが普通なので、過去ほど条件が良いというところは無くなった。それでも仕事内容などでは、一番無難と思われる。ただし、年功序列が厳しかったり、煩わしい点も多い。(もちろん各会社によって違いますので、鉄道の名前やイメージで判断することはできません。私鉄系はもともと条件が良すぎたため、どこの会社もバス部門を独立させており、以前とは全く待遇が違うようです。)

  • タクシー系
  • 一概には言えないが、タクシーが母体のせいか、基本給は低めに設定され、各手当を含めてのお給料のところが多い。それでもバス会社の中では、歴史のある会社や知名度の高い会社などもけっこう多く、私鉄系同様そこそこ安定してる。ただし、タクシーで知名度があってもバス新規参入の会社ではまだまだ労働条件などに不安定な部分がある会社が実際にある。

  • 運送会社系
  • 規制緩和以降に設立されたバス会社はこれが多い。バスの所有台数が10台未満と小さなバス会社がほとんど。中には急成長して大手の一角になっているところもある。しかし、大抵小さなバス会社の場合は、他のバス会社の下請けのような仕事をしているところがほとんどである。

次に、バス会社によって仕事の内容はある程度何をメインにしているかに違いがあります。
団体一般貸切、修学旅行・遠足、パッケージツアー、送迎、外国人ツアーなど。
どこの会社が主にどんな仕事をしているか、なかなかわからないと思いますが、これによって副収入や体力面といった条件が違ってきます。
その他、車庫に洗車機があるかないか、入庫時の掃除を運転手がするのか、掃除専門の人をおいているか等々。(←これけっこう重要かもです。) しかしこういうことは情報を得にくい部分ですね。

また貸切専門の会社で、バスガイドを養成している所は、ドライバーは妻帯者に限るというところもあります。(路線バスのある会社は、独身でも大丈夫なところがほとんどです)

また冒頭にも書きましたが、私鉄系その他、路線バスを走らせている会社の場合、貸切と路線をきっちり分けているところと、そうでないところがあります。分けていない会社では、新入社員は最初は路線バスにしか乗れないところが多いです。逆に路線バスだけに乗っていたいと思っても、そういうわけにはいかなくなってしまうということもあります。これは会社によって事情が違いますので、直接問い合わせるのがよいでしょう。

女性ドライバーも最近は増えてきていますが、地域によってかなり違いがあります。
中部地方はかなり多いようですが、関西以西はまだまだ少ないです。

決して過去のように条件の良い仕事ではありませんが、社会的に見ればそれなりに信頼性のある仕事です。トラックに乗っているような一匹狼的気楽さはありませんが、それでも会社のオフィスにいるような人間関係に悩まされることも少ないです。

新卒ですぐに就職できる仕事ではありませんが、その分全く別の職業からの転職者もいる業界です。離職率も高くありません。もしかの時のために大型二種免許を取っておくのは悪くないと思います。免許が取りにくいのが問題ですけどね(汗)。

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コメント

  1. 清野幹文化遺産圏 より:

    何の仕事も  好きこそ 物の上手なれ ですよ。 収入は後から ついてきます。

  2. kabocha より:

    乗鞍・上高地楽しんできてください。
    天気がちょっと気になりますね。雨は降らないでしょうけど。。。
    スバルラインとエコーラインの両方を通るコースだといいですね。
    エコーラインは私も過去2度しか通ったことないんですけど、1度はマイカーで通りました。
    上りで通ったんですが、山が迫ってくるようで感動的でした。

    コメントに関しては、お気軽にどうそ。
    もともとコメントの少ないブログですが、それは私の不徳の致すところでしょう(笑)。
    あくまでも自由です。
    人気ブログと違い、必ず管理人からの返事がありますので、ご了承を(苦笑)。

  3. 三四郎 より:

    ふそうは以前リコール隠しがありましたもんね…

    新しいふそうは尿素の青い液を入れるやつですね(^^)

    リアウインドウが逆三角形になってるやつです。

    あの後ろ姿が私は好きでして。

    新しい日野やイスズもいいんですけどね〜。

    明日から乗鞍や上高地の1泊のバスツアーですが、どんなバスに乗れるか今から楽しみです。

    なんか私ばかり大量にコメントして申し訳ないですm(__)m

  4. kabocha より:

    あ~!尿素入れるバスですね?

    三菱の事故があった頃、やはりお客様から敬遠されることもあって、その頃に三菱の新車を買うバス会社が少なかったせいで、数が少ないんだと思います。ここ1、2年でようやく見かける機会が多くなってきたという感じでしょうか。
    それに三菱のバスは高いので・・・・(汗)。

  5. 三四郎 より:

    大型観光バスはさすがにレンタカーは見たことないですね(^^;

    トヨタのコースターとかのマイクロバスは見たことありますが(^^)

    名古屋の工場はふそうですよね!

    私は大型はふそうが好きで、私の利用する観光バス会社のバスもふそうが多いです。

    バスツアーで新しいふそうのエアロエースというバスに当たらないかなと思っていますが、いつも旧型のエアロか日野のセレガになり、まだ一度も当たったことがありません(泣)

    マニアな話題ですみません(^^;

  6. kabocha より:

    昔名古屋にバスの工場があった頃、一度だけ行ったことがあります。ほとんど手作り状態なので、バス会社によって全然違いますものねー。
    きれいなバスに乗るためには・・・レンタカー?(笑)

  7. 三四郎 より:

    免許に関しては書かれている通りですよ。

    意外に学科がくせ者で、学科でつまずく人が案外多かったです(^^;

    私は休日にたまに客とでしかバスに乗らないですから、バスやドライバーの知識はあまりないので勉強になります(^^)

    大型二種の練習に使っていたバスは本当にボロかったですよ(笑)

    元路線バスだったみたいで、客が降りる停留所の前で押すボタンがついてました。

    きれいな観光バスも一度運転してみたいです。

  8. kabocha より:

    こんにちは!
    三四郎さんは大型二種を持ってるんですね。確かに試験場で見かけるバスって、「めっちゃ古いっ!」(笑)。

    大型一種さえ持っていない私がエラそうに、「観光バスの運転手になるには」なんて内容を書くのは、おかしな話だと思うでしょうが、あちらこちらのバス会社で乗務すると、そのバス会社によって仕事に差があることに気付きます。その辺を紹介したものなんですが、前のブログで一番訪問数が多かったページなので、ほぼそのままこちらに載せてるんですw

    内容的には「そこ違うんじゃない?」というところもあると思いますが、自分ではそれなりにポイントをついてると思ってるんですよw
    でも一度なったら辞める人少ないので、悪い仕事じゃないんだと思います。他の仕事できないからなんて言ってるけど、それだけじゃないと思いますよ。

  9. 三四郎 より:

    自分が大型二種を取りに行っていた頃を思い出しました(^^;

    立ち客を考えてブレーキの踏み方に気をつけたりとか、一種では言われないルームミラーでの乗客確認は習慣がないので苦労しましたね。

    あと使っていたバスがとんでもなくボロボロで、エアブレーキや扉開閉の動力のエアがしばらく駐車しておくと勝手に抜けてしまってドアが開かなくなるんで手で強引に開けてバスに乗り込んでましたよ(笑)

    大型はけん引免許もあるので、たまにトレーラーを運転することがある位ですが、言われているように観光バスドライバーがガイドさんと楽しそうに車内で話しているのが羨ましかったりしますね(笑)

    あとバック誘導してくれるのはこちらはおっちゃんなんで、ガイドさんが誘導してくれていいなあなんて指をくわえて見てますよ(^^;

    観光バスドライバーはやってみたいと思ったりしましたが、いろいろ表から見えない苦労があったりして大変なんですね。