山岳観光地 尾瀬編続きの続き

尾瀬沼での夜が明け、予定通り6時に山小屋を出発。
睡眠不足が解消された母はけっこう元気になっていました。病気にでもなったんじゃないかと多少心配していましたが、大丈夫そうなので一安心です。あとは鳩待峠まで歩くことができるかどうか、それだけが心配でした。いえ、もうひとつ心配がありました。出発の前に何回もトイレを済ませるように母に言ったことは想像付くと思います・・・。

前日の雨があがり、朝靄の中の尾瀬沼は幻想的でした。ほとんど人に出会うこともなく沼尻まで歩き、そこで朝食を取ることにしました。山小屋で作ってもらったおにぎり弁当を沼尻の休憩所で食べながら心の中で、尾瀬沼で泊まってよかったのかもと思ってました。あのまま雨の中を進み続けたらどうなっていたかわかりません。でも、もう一泊山小屋で過ごすのはどうしても嫌でした。絶対に老神温泉に泊まるんだ~~~!背負ってでも歩くぞ!と思いながら(絶対背負って歩けないけど)すがすがしい尾瀬沼最後の景色を堪能したのでした。

尾瀬では休憩所やトイレの数も限られていますので、トイレを見つけたら利用していないと大変です。朝食後、沼尻のトイレを借りることに・・・むむ、200円?高~い!
場所が場所だけに処理が大変だっりと色々あるんでしょうが、200円は初めてでした。でも仕方ありません。前日の母のようにはなりたくありませんし、また見たくもありませんから、2人分合計400円を払って交代でトイレに行くことに。200円だけあって清潔で綺麗な洋式のトイレでした。

そのトイレに行った母がなかなか戻ってこないのです。5分以上たっても戻ってきません。今度はお腹でも壊したのか?(汗)と思っていると、ようやくすがすがしい顔で戻ってきた母は、「いや~、ぜんぜんオ◯○コが出ないので、200円もったいないから出るまで粘ってた」と。そういうことですか・・・。(-_-)

沼尻を後にすると、山道に入り峠越えです。この間がけっこうきつい。前日の雨でぬかるんだ山道に足をとられ、靴が脱げるという場面もありました。
そして熊に注意という看板も!当時はまだ今ほどの熊出没数がなかったせいもあってか、事前に読んだガイドブックにはそんなことは書いていませんでした。でも熊どころじゃない、少しでも乾いた土の上を探して歩くのに精一杯で、周りを見る余裕はありませんでした。

この頃にはすれ違う人も少しずつ見えるようになりました。この山道を越えるのにどれくらいかかったか、はっきり覚えていませんが、かなり体力を消耗しました。やっぱり尾瀬沼で泊まったのは正解だったようです。でも!この後の残りを夕方までに歩かないと老神温泉には泊まれないのです。バスの時間もあるので、あまり余裕はありません。地図上では、山道を抜けたところでやっと全行程の半分になるはずでした。

ようやく山道を抜けて広々とした尾瀬ヶ原の風景を前にして、「ああ!これこそが写真で見る尾瀬だ~!」と感動にひたります。どこまでも続く木道に、至仏山と燧ヶ岳が対峙する中に広がる湿原。まだ山には雲がかかっていましたが、それでも来た甲斐があったと思わせてくれる景色がそこには広がっていました。

見晴に着く少し前にボッカさんに出会いました。新田次郎の小説「強力伝」や「富士山頂」で強力(ごうりき)の存在は知っていましたが、本物を見るのは初めてでした。背負子に荷を乗せて運ぶ人を強力とか歩荷(ぼっか)と言いますが、尾瀬ではボッカさんと呼ぶそうです。ヘリコプターで運ばれてきた食料などを山小屋へ運ぶ仕事をしてくださっている方々で、ほとんどはアルバイトの若者だそうです。現在まだボッカが見られるのは、この尾瀬と白馬岳の夏期のみらしいです。梯子のような背負子(しょいこ)にたくさんの段ボールを積み上げ、背丈の2倍はあるような荷をうつむき加減で運んでいる姿に、かなり感動しました。
尾瀬で出たゴミも彼らが運んでヘリコプターで搬出しているそうです。ゴミは持ち帰りましょうねー。

どこまでも続く木道。どこまでも、どこまでも、どこまでも・・・・・・クラクラしてきます。
よそ見しながら歩くと木道から落っこちそうになります。それなりに広い木道ですが、だんだんと平均台の上を歩いているような気分になり、フラフラ左右に揺れはじめ・・・・って、前を歩くおばさん(母)が揺れてました。(汗)
木道の途中、何カ所かにあるベンチに腰掛けて休憩~。残念ながら花の多い時期ではありませんでしたが、母にとってこれほどの大自然の中に身を置くのは初めてだったようで、感動の言葉を発しておりました。

普段の彼女はかなりお喋りです。うるさいくらいに喋ります。しかし木道の上を歩くのは集中力が必要だったようで、静かで助かりました(笑)。ただ亀のように歩みが遅いのです。「山小屋に泊まりたくなかったら歩け~」と励まし(?)ながら、ひたすら歩き続けているうちに段々と人の数が増えていきます。うぉーものすごい人の数だ~!鳩待峠から入ってきた人達でした。年配の人が多く、峠から下ってきただけで体力限界の人もいるようでした。

ようやく私たちにとっては尾瀬とのお別れの場所、山の鼻に到着。これから鳩待峠までを1時間で登ることが出来れば、老神温泉行きのバスに間に合います。ここまでルート的にはきつい登りはなかったのですが、この最後の登りを避けて通ることはできません。
最後の休憩のあと、何度か立ち止まりながらも上り坂をひぃひぃ言いながら登っていきました。途中で「頑張れ」と言うと、「うるさいっ」と怒られました。もはや気力だけのようです。

それでもなんとかかんとか、ようやく峠の上に到着~♪ 隣の母はゼイゼイ息をしております(汗)。結局1時間かからずに登ることが出来ました。母よ、あんたは偉い!

バス乗り場はどこかな~?と探そうとすると、目の前に乗り合いタクシーがあるじゃありませんか!バスの時間まではまだ少々ありましたので、どうしよう・・・。値段はたしか一人2000円ほどだったかと。予定のバス利用よりは値段が上がってしまいますが、どう考えても普通のタクシーよりもかなり割安です。隣りでヘロヘロ状態の母に「これに乗る?」と聞くと、「乗る!」。まぁそう言うと思いましたけどね。

こうして予定通り2泊目は老神温泉に泊まることができたのでした。
いやー、ほんとよく頑張りましたよ。1日で18キロほど歩いたことになるんでしょうかね?60歳になったばかりとはいえ、普段健康のために歩くなどということはしたこともないおばさん(おばあちゃん)が、こんなに歩けるとは思いませんでした。とはいえ母はかなり身体能力は高い方です。70歳になった現在でも、力は私よりあるくらいですから。

今もよく言います。「また尾瀬に行きたいわ~。ヘリコプターでシューッと」・・・・勝手に一人で行ってください。

終わり。

他の記事

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク




コメント

  1. 旅かぼちゃ より:

    駄文を読んでくださってありがとうございます。
    仕事が不規則なので、2~3日分まとめて書いています。
    一日でも途切れると、それっきりになりそうなので(汗)、皆勤を目指しているんですよ。
    来年もどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

  2. kazu より:

    こんにちは。
    連載形式ですと、つい続きが気になってこまめにチェックしてしまいます。尾瀬には以前から行ってみたいとは思っているのですが、更に行ってみたくなりました(^^;
    それにしましても今月のブログは皆勤ですね。凄いです。今後ともどうぞよしなに。