六甲山

少し前に六甲山系について紹介しました。阪神高速神戸線の深江ランプから魚崎ランプにかけてのあたりから右手(北側)へまっすぐの辺りが六甲山の頂上付近になります。

海抜931mの六甲山を中心に、摩耶山、再度山などの山々をふくみ、東は西宮市の甲山から西は須磨の鉢伏山までの約30キロに続くなだらかな山並みを六甲山地といいます。

六甲の名はもともと難波のムコウにある山という意味からムコウに六甲の文字が当てられたという説など様々ありますが、記紀神話と結び付けられた話もあります。

14代仲哀天皇のお后神功皇后(じんぐうこうごう)は三韓遠征の帰りに九州で皇子を出産されました。しかしすでに仲哀天皇には先の妃の大仲姫との間に香坂(かごさか)忍熊(おしくま)という2人の皇子がありました。この2人の皇子が新しく生まれた腹違いの弟に皇位を奪われることを恐れ、遠征軍が大和に帰り着く前に明石海峡で待ち伏せして殺そうと考えました。

このことを先に察知した神功皇后は武内宿禰(たけのうちすくね)を遣わして、反乱軍を討たせました。この香坂、忍熊の皇子を含めた首謀者6人の甲を埋めたのがこの山で、ここから六甲山の名前がついたという伝説です。

この六甲山地は昭和31年に瀬戸内海国立公園に編入されました。変化のある地形はハイキング登山にもってこいで、山上一帯は展望台や遊園地、植物園、ホテルなどが建ち並ぶリゾート地になっており、ゴルフ場や人工スキー場、キャンプ場などの施設も整い、日本の代表的な山岳公園となっています。

また山頂からは大阪湾や淡路島を眼下に見る雄大な展望が広がり、特に闇の中に浮かぶ夜景は見事で1000万ドルの夜景として有名です。

イギリス人グルーム

一大レジャーランド六甲山の開発を最初に手がけた人物がイギリス人貿易商、アーサー・ヘスケス・グルームでした。彼は六甲山を大変気に入り、三国池のあたりに1万坪の土地を借りて別荘を建てました。明治28年、これが六甲山上に最初に建てられた人家でした。
六甲山を愛したグルーム氏は徹底した日本びいきで、日本女性を妻とし、もうけた6男7女(子供15人という説もある)に、誰一人英語を習わせず、洋服も着せなかったそうです。
競馬が好きで鳴尾競馬の自分の持ち馬に「ベッピンサン」という名をつけていたといわれます。彼自身は外国人墓地建設の世話人をしていたにもかかわらず、没後は法華宗信徒として婦人の墓に葬られました。人々は彼を記念し、六甲山上に「六甲開祖の碑」を建てました。

六甲山には山上を縦走するドライヴウェイがあります。まずは西の端の森林植物園から西六甲ドライブウェイを東へ進みます。

神戸市立森林植物園

1940年に最初作られましたが、正式開園は1957年です。総面積142haと大変規模の大きい植物園で園内には国内外の樹木1200種が原産地別に展示されています。

神戸市立六甲山牧場

昭和25年(1950)にスイスの酪農場をモデルにして作られました。126haの敷地に乳牛や馬、羊、ヤギ、ウサギなどが放牧されており、動物とのふれあいが楽しめる観光牧場です。ここの見学もできるチーズ館で作られるカマンベールチーズは大人気。チーズソフトクリームもあります。

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奥摩耶ドライヴウェイ

六甲山牧場のところより。摩耶山上、掬星台の方に続く道です。(関連記事はこちら

丁字ヶ辻

信号のある交差点。右手(南)へ分かれる道は表六甲ドライヴウェイです。

六甲山の植物

丁字ヶ辻を過ぎたところあたりから建物が多くなりますが、六甲山で一番賑やかなところです。この辺りはアジサイの花の多いところでもあります。六甲山は花どころとしても知られ、春初めにはツバキやコブシ、アセビが、4月には桜、5月はツツジが咲きます。7月から8月にかけてはアジサイが付近一帯を彩ります。アジサイは神戸市の花にもなっており、このアジサイ、ツツジ、ムクゲの3種が六甲の三名花と呼ばれます。

六甲山ホテル

左手。1929(昭和4)年創業のクラシックホテルです。開業当時の建物も残っており、近代化産業遺産に登録されています。元々宝塚ホテルの分館としてオープンし、現在は阪急阪神第一ホテルグループによって経営されています。

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記念碑台

ここは表六甲、裏六甲、東六甲、西六甲ドライヴウェイの分岐点になっている交差点です。ここの高台に六甲山開発に力を尽くしたアーサー・グルーム氏の顕彰碑があったため、記念碑台と呼ばれました。現在は戦後作りなおされた「六甲山の碑」が建てられています。

また六甲山には東、中央、西の3ヵ所に展望台がありますが、ここは一番西の端にあるところから、「西の展望台」とも呼ばれます。

左へ下りる道が裏六甲ドライヴウェイです。(中国道、山陽道方面)
またここから東への道はサンライズドライブウェイサンセットドライブウェイの2手に分かれます。景色が良いのはサンライズドライブウェイですが、道路はあまり広くありません。
神戸ゴルフクラブへはサンライズドライブウェイに入って少しのところから左手に入っていく道があります。また六甲ケーブルへはこのサンライズドライブウェイを利用します。
この記事の中ではサンセットドライブウェイを進みます。

神戸ゴルフ倶楽部

右手奥には神戸ゴルフ倶楽部があります。明治36(1903)年に日本で最初に作られたゴルフ場です。六甲山を開いたアーサー・グルームとその仲間たちによって作られました。18ホール、パー61の小さなコースですが、名門コースのひとつです。

ホール・オブ・ホールズ六甲

右手。オルゴール博物館になっており、19世紀から20世紀初頭にかけて製作されたヨーロッパやアメリカの様々なオルゴールが展示されており、自動演奏されています。
またお隣の高山植物園へ木道橋がつくられていて、ナチュラルガーデンとして整備されています。

六甲高山植物園

右手下。このあたりは標高865mあり、年間平均気温が9度という、六甲山でも最も寒いところで、昭和8年(1933)に植物博士として著名な故牧野富太郎博士の指導の下、高山植物と寒地性植物の約400種をはじめ、全部で1500種の植物を集めて開園しました。学術性の高い植物園です。

六甲山カンツリーハウス

左手に看板あり。六甲山最大の遊園地で、自然をそのまま活かした芝生の丘が広がり、ベビーゴルフ場、魚釣り池、オフロードゴーカートなどの施設が人気です。その他デイキャンプ場もありバーベキューを楽しむこともできますし、隣の敷地には40のポイントを持つフィールドアスレチックセンターがあり、カンツリーハウスとのお得な共通券もありますので、六甲山上でアウトドアライフを存分に楽しむことができます。
また冬には人工スキー場のゲレンデが作られます。

六甲ガーデンテラス

カンツリーハウスの看板が見えたら、もうすぐに右手に六甲ガーデンテラスの入り口があります。ここは標高880mにある複合展望施設です。かつてここには3階建ての回る展望台や宿泊施設がありましたが、それらを撤去して新しく2003年にオープンしました。

このエリアには見晴らしのテラス、見晴らしのデッキ、見晴らしの塔、見晴らしの丘と名付けられた展望所があり、それぞれから神戸の東部や大阪平野、明石海峡などの展望を楽しむことができます。またアクセサリーや雑貨のショップに軽食コーナーやジンギスカンパレスなども併設されています。

通常観光バスのツアーなどで六甲山からの夜景を見るという場合は100%ここに来ると言ってもいいと思います。

またこの辺りにはよく猪が出没します。昼間でも見かけることがあります。「団体ツアーのおばさんが可愛いウリ坊を見つけて、おやつのかっぱえびせんなどを与えていると、後から大きな母猪が出てきて、おばさんひっくりこけるの巻」といった光景も見かけます。(猪は野生です)

ホール・オブ・ホールズ、高山植物園、カンツリーハウス、ガーデンテラスは阪急阪神ホールディングスの子会社阪神総合レジャー㈱によって委託経営されています。このためガーデンテラス以外の3施設はお得な共通券などもありますので、大いに利用してください。詳しくは阪神総合レジャーの運営するサイトをご覧ください。⇒ ROKKOSAN.COM

100万ドルの夜景

最後に六甲山の夜景についてですが、六甲山から見る夜景を1000万ドルの夜景といいます。夜景を表現する時によく使われるのは「100万ドルの夜景」という言葉ですが、日本でこの表現が使われるようになったのは六甲山が最初です。

これは昭和28年当時、関西電力の副社長が社内広報誌に載せたコラムによるとされます。すでに外国人によって100万ドルの夜景という言葉は使われていたようですが、彼自身が実際に六甲山に登って、その100万ドルの夜景を見たという内容です。この時に実際に六甲山から眺めることができるおおまかな範囲の電灯の数から1ヶ月の電気代を割り出し、これに当時のドルの換算レート360円で導き出した答えが119万ドルだったということで、実際に六甲山の夜景は100万ドルの夜景だと証明したのでしょうね。1ヶ月分ですけど・・・。

それからしばらく後の昭和50年(1975)に現在の六甲ケーブルを運営する六甲摩耶鉄道がドルの相場も変わったので値上げをしようと神戸市にもちかけ、1000万ドルに値上がりしたそうです。

そして更に、その六甲摩耶鉄道が本当に六甲山からの夜景は1000万ドルなのか調査をしたそうです。2005年、国勢調査を元に六甲山から見えると思われる世帯数350万世帯の1日の電気代を220円と想定し、1ドル110円で計算すると約720万ドル。これにオフィスビルなどの電気代約300万ドルを足すと1000万ドルを超える結果となりました。よかったですねぇ。1日1000万ドルの夜景です。

六甲アイランド

六甲アイランドは六甲山上とは関係のない、海上の人工島です。しかし六甲山のガーデンテラスから見下ろした風景で一番近く見える人工島なので、ここで紹介したいと思います。

阪神高速道路からは、魚崎ランプあたりから左手、南側に連絡橋と六甲ライナーで繋がっている人工島です。

神戸市東灘区にあり、総面積約580ha、20年の歳月をかけて1992年に完成しました。ポートアイランドに比べて住宅を主にした街づくりがされています。人口約18000人の街には住宅以外にも学校、病院はもちろんのこと、ホテルやショッピング、レクリエーション施設も揃っています。

また六甲アイランドフェリーターミナルと六甲船客ターミナルの2つの旅客フェリーターミナルがあり、四国、九州、沖縄方面に船が発着しています。

六甲アイランドへの交通手段のひとつに六甲ライナーという新交通システムがあります。この六甲ライナーの窓は住宅街に入ると透明だった窓ガラスが不透明(すりガラスのよう)になるという珍しいシステムを採用しています。沿線住民の方々が六甲ライナーの乗客から部屋が丸見えになるという苦情が出たために、新交通が開発したものです。これを知らないとビックリしてしまうかもしれませんね。でもドアのガラスは透明なままだそうです・・・。

また六甲アイランドは阪神高速5号湾岸線の入り口にもなっています。阪神高速湾岸線は大阪湾の一番内側を通るルートで大阪泉州地方や和歌山方面への近道となっています。沿線には西宮ヨットハーバーやUSJ、海遊館などの施設があり、大阪南港を通過する眺めの良いルートでもあります。

その他

六甲山へは車が無くとも、バス、ケーブル、六甲山上バス、ロープウェイなどを利用して、JR、阪神、阪急の駅や有馬温泉と繋がっていますので、ぜひ一度訪ねてみてください。

地元の私鉄会社によるお得な一日乗り放題乗車券などもありますよ。

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六甲山” への3件のコメント

  1. ピンバック: ローカルニュースの旅

  2. ほぉ、狐ですか・・・、初めて聞きました。
    三四郎さんは、けっこうオカルト的な話題がお好きなんですね?
    私はあまりそういうのに興味がないので、知らないだけかもしれません。

  3. 六甲山の夜景は前に車で行って見てきましたが、観光バスツアーでも行ってみたいですね

    ここ数年廃墟ブームなんてのがありますが、自分はブーム以前からその一人なんですが摩耶山の中腹にある摩耶観光ホテルの跡は美しい廃墟で有名なので一度見てみたいと思っております

    あと前に聞いた話ですが、六甲の山道を夜中にバイクで走っていると狐の化け物が出るなんて話を聞いたことがあります

    また行きたいです

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