醒ヶ井

名神高速道路米原JCTから名古屋方面に約3キロほど進んだ左手に、JR東海道本線の醒ヶ井駅があります。そのすぐ近くにある旧中山道の宿場町・醒ヶ井宿は、清流地蔵川が流れ、バイカモが咲く季節になると大勢の観光客で賑わいます。

左手には関西の名山といわれる伊吹山が見え隠れしますが、醒ヶ井の地名はこの伊吹山に関係します。

日本武尊が伊吹山の大蛇と戦った時、毒に襲われ気を失いましたが、麓の清水で洗うとたちまち元気になられたそうで、今もこの清水は「居醒の清水」といわれ、どんな水不足の時でも決して枯れないといいます。旧中山道の宿場であったため、多くの紀行文にこの清水のことが描かれています。

阿仏尼の「十六夜日記」にも

むすぶ手に濁る心をすすぎなば 浮き世の夢やさめがいの水

とあります。

醒ヶ井宿

古代から交通の要衝であったこの地に、日本武尊ゆかりの豊富な清水が湧き出ており、旅人の最適の休憩場所であったところで、中山道61番目の宿場町でした。

醒井宿を 流れる地蔵川の源流が居醒の清水で、「古事記」「日本書紀」には日本武尊 が伊吹山の大蛇を退治した際、毒気にあたり、命からがらこの泉にたどり着き、清水で体をいやしたところ、高熱がさめたという話が伝わっています。
これによって「居醒の清水」と呼ばれ、また醒井という地名もこの話が由来になっています。
居醒の清水は2008年6月に、「平成の名水百選」(環境省)に選ばれました。


写真提供:滋賀県

地蔵川のバイカモ (写真提供:滋賀県)

宿場に沿って流れる地蔵川にはバイカモが生息しています。バイカモはキンポウゲ科の水生多年草で、清流でしか育ちません。
7~8月ごろに、梅の花に似た白い小花を咲かせることから『梅花藻(バイカモ)』の名が付きました。
夏の最盛期には直径1.5cmほどの愛らしい花が一斉に川面から顔を出します。
夏の終わりの地蔵川は、川沿いに植えられたサルスベリの花が落下して、梅花藻の白とサルスベリの紅で彩られます。

この頃には観光客が多く訪れ、普段は静かな旧宿場町が賑わいます。見頃は7月~8月で、夜間のライトアップもあります。(ライトアップ期間不明)

JR醒ヶ井駅から徒歩5分少々で旧宿場の中心部に行くことができます。車の場合も駅に駐車場がありますので(バスも駐車可)、ここから歩いて行くことになります。

江戸時代においても旅籠が10軒ほどしかなかった小さな宿場でしたので、派手さはありませんが、落ち着いた佇まいで大変良いところです。特に夜のライトアップ時は、バイカモの可憐さに幽玄な雰囲気が加わって、わずかな街並みでも十分に楽しむことができます。

見学範囲が小さいので、ここだけを目的にというのはどうかと思いますが、伊吹山登山やドライブのついでに訪れるにはちょうど良いところとしてお薦めします。

下の動画は、YouTubeで公開されているものですが、地蔵川のバイカモと絶滅危惧種のハリヨを紹介しているものです。これを見たら醒ヶ井に行きたくなるかもですよ。
※地蔵川のハリヨは人為的に放流されたと見られるイトヨと交雑し、ほぼ絶滅寸前だそうです。

醒ヶ井養鱒場

醒ヶ井付近で名神高速道路から右手に見える山は石灰岩からなっており、石灰やセメントの工場が見られます。その前を通り、宗谷川にそって約4キロさかのぼると醒ヶ井養鱒場があります。

宗谷川の清水と広い河川敷を利用して、明治11年(1878年)に造られた日本初の県立孵化場です。現在ニジマスだけで40万尾、アマゴ・イワナが60万 尾飼育されています。約19平方メートルの敷地内に83面の飼育池、資料館、研究室、水族館、さかな学習館のほか料理店や鱒釣り池があり、家族連れで賑わいます。

どうしてこんなところに養鱒場ができたのかといいますと、カルスト地帯の岩の間から流れ出る豊富な水は地下水であるため、四季を通じて水温が変わらず摂氏12度で、養鱒には最も適しており、カルシウム分が大量に含まれているからです。

11月頃から翌年2月頃までの間に卵を押し出し、この卵を布地に並べて温度を加えて孵化させます。これらを養魚池で飼育し、エサは牛の肝臓、干しエビ、イナゴが主で、3年経って渓流に流します。(←少々古い情報で間違っているかも知れません。)

昭和26年、昭和天皇がお越しになり、「谷かげに残る紅葉美しく 紅鱒おどる醒ヶ井の里」と歌を詠まれました。

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